ひじきはタバコよりも有害!って噂話は本当なの?



ひじきの栄養素を残す

 

 

前述の説明の通り、ひじきを水で戻したり、茹でたりしていると、無機ヒ素が戻し汁に抜けてしまうわけですが、それはいいとしても、ひじきの長所である他の栄養素も一緒に抜けてしまうのでは困りますね。

 

しかし、それも心配無用なのです。先述の農林水産省の「乾燥ヒジキのヒ素を減らす調理法の調査結果」のおさらいですが、ヒジキは比較的高濃度のヒ素が含まれることが確認できています。注意が必要なのは無機ヒ素であり、水に溶け出す性質があるので、乾燥ヒジキを調理する際は、水洗い、水戻し、茹でこぼしなどによって無機ヒ素の摂取量を減らすわけです。家庭内でヒジキを調理するときにも無機ヒ素を減らすための有効な方法となっています。

 

ひじきの栄養素については、ヒジキ中の無機ヒ素の含有量を調べると同時に、その他の栄養素(鉄分、カルシウム、食物繊維)の含有量も調べています。それによると、によれば、鉄分の場合は茹でこぼしをしても7割以上が残り、カルシウムもほとんど変わりません。水戻しの場合、カルシウムは若干増えたようですが、それは水道水中のカルシウムの影響ではないかとの記載になっています。

 

また、食物繊維も8割以上が残っていたとの結果ですので、これを見る限り、ひじきの無機ヒ素を怖れるより、健康食材のひとつとして今後も活用する方が正しいようです。

 

ひじきに限ったことではなく、すべての食材において多かれ少なかれ、メリットとデメリット双方があるものです。センセーショナルな情報だけに惑わされず、自分で有意義な方法をしっかり理解したいものですね。