ひじきはタバコよりも有害!って噂話は本当なの?



ひじきにヒ素が含まれている!?

 

 

ひじきは日本人が古来から食べてきている食品のひとつで、健康食品の代表的な存在でもあります。しかし、2004年7月に英国食品規格庁が「ひじきは健康を害するため食べない方がよい」という勧告を出したのです。

 

その理由は「無機ヒ素」を多く含むためというものです。ヒ素と言えば推理小説で殺人に使われたりするものとしてお馴染みの人が多いかと思いますが、ヒ素は農薬や殺鼠剤として使用される毒物です。実際、ヒ素は水銀、カドミウムなどと同様で、摂取すると生体影響はかなり大きく、健康被害をもたらす場合が多くなり、嫌われている元素の代表でもあります。

 

過去に事件も起きています。1955年には徳島県の工場で製造した粉ミルクで乳児が亜急性ヒ素中毒を発症しました。これは粉ミルクにヒ素化合物が不純物として含まれていたのが原因で、100名以上の乳児が死亡したのです。

 

1998年7月の和歌山市のカレー事件も記憶に新しい事件です。カレー鍋の中に約200グラムもの無機ヒ素の粉末が混入されていて、夏祭りでこのカレーを食べた人が犠牲になり、4名が死亡、63名が急性ヒ素中毒になりました。

 

ヒ素には「有機ヒ素」と「無機ヒ素」がありますが、「無機ヒ素」のほうが毒性は強いとされています。WHO(世界保健機関)のファクトシートでは、「飲料水や食事からのヒ素の長期にわたる摂取は、がんや皮膚病変の原因となりうる」とあります。

 

ヒ素中毒というのは、一度に大量摂取したことで起こる急性中毒だけではなく、慢性的に蓄積していくことでも中毒が起こる場合があります。ひじきにヒ素!というのは確かに衝撃的です。